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不登校からの高校受験、進路の全体像|高専生の母がフラットに比べた4つの道
不登校からの高専受験 📅 ✏️ めぐりん

不登校からの高校受験、進路の全体像|高専生の母がフラットに比べた4つの道

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「学校に行けなくなったら、もう進路は終わり……?」

そう思いつめている保護者さんへ、まず数字をひとつ。

中学で不登校だったお子さんの、高校進学率は85.1%。文部科学省の追跡調査

「行けなくなった=終わり」では、まったくありません。

不登校からの進路を調べると、たどり着くのは「うちの学校へ」というページばかりで、かえってどこが我が子に合うのか分からなくなる——そんなことはありませんか。

実は、不登校を経験した方に「当時、どんな支援が欲しかったか」を聞いた調査(文科省・令和7年「不登校経験者等を対象とする調査」P.34)でも、「進学のための相談や情報」を求めていた人は、支援団体とつながっていた方に限ると34.6%にのぼります。つまり、今あなたがこうして情報を探していること自体、当事者の声と重なる正しい一歩なんです。

わが家が通わせている高専も、4つの選択肢のひとつとして、他と同じ目線で並べます。


1️⃣ まず、安心の材料|不利は「回避できる」

進路の話の前に、多くのご家庭が抱える2つの不安に先に答えます。

内申点・欠席日数の不安

「欠席が多いと、受験で不利になるのでは」——これは、回避できる仕組みがあります

  • 通信制・定時制は、内申・欠席の影響が小さい傾向があります。私立高校は学校・方式によって差が大きく、後ほど詳しく説明します
  • 公立でも、多くの都道府県が「自己申告書」の仕組みを用意しています。欠席が多い理由を志願者自身が説明できる書類で、これを出せば「欠席日数を直接の理由に不合格にはしない」と各校に通知している自治体もあります(書式や運用は都道府県ごとに異なるので、お住まいの教育委員会サイトで確認を)
  • 公立高校入試の調査書から、欠席日数の欄を廃止する都道府県が19都府県まで増えている
  • 国も動いています。文部科学省は2025年6月から毎年、高校入試で「欠席日数だけを理由に、志願者を不利益に扱わない」よう配慮を求める通知を出しています(文科省通知・令和8年6月30日付

くわしい内申の守り方は不登校でも内申点はつく?に。そして、自宅でのオンライン学習が校長の判断で”出席”として認めてもらえることもある——国が用意した出席扱い制度とは?も、あわせてまとめています。

「うちの子だけ?」の不安

不登校の小中学生は、いま約35万人令和6年度・文科省)。26人に1人、どのクラスにも1人以上います。そして冒頭の通り、その多くが高校へ進学しています。

実際、みんなどこに進学しているの?

「不登校の子は、通信制に行く子がほとんど」——そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。ですが、同じ調査(P.42)では、実際の進学先はこうなっていました。

  • 全日制高校:73.1%
  • 通信制高校:10.1%
  • 定時制高校:7.8%
  • 高等専門学校(=高専):4.7%(全日制とは別の選択肢として集計されています)

不登校経験者の高校進学先(円グラフ)

もっとも多いのは、意外にも全日制です。ただし、この調査は18〜59歳と幅広い世代が対象。若い世代(10代後半〜30代前半)ほど通信制を選ぶ割合が高くなる傾向も、同じ調査から見えています。時代とともに、選択肢の使われ方も変わってきているようです。

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この数字を見て、ひとつ気づいたことがあります。同じ調査のインタビューで、私立高校に進学した方が「内申が理由で公立には行けなかった」と語っていました。つまり、私立だから内申を気にしなくていい、ではなく、公立の内申基準が届かず私立を選んだ、というケースもあるということ。「内申の影響が小さい進路」を考えるときは、私立を一括りにせず、通信制・定時制・そして公立の中の”不登校枠”も含めて、幅広く見ておきたいですね。


2️⃣ 進路の地図|4つの選択肢をフラットに

高校進学の選択肢は、大きく分けて4つ。**優劣ではなく「合う・合わない」**で並べます。

全日制定時制通信制高専
内申・欠席の影響公立は影響あり(一般入試や不登校枠で回避できる場合も)意欲重視で入りやすい傾向ほぼ影響なし(面接・作文中心)学力選抜なら内申の影響は相対的に小さい(推薦選抜は内申が判断の中心)
通学毎日・日中時間帯を選べる選べる(自宅中心〜週5通学)毎日・日中
卒業後大学・専門・就職と幅広い大学・専門・就職大学進学率が上昇中(約21%)就職希望者はほぼ100%・進学約4割(編入+専攻科)
向いている子毎日通えて内申が確保できる子自分のペースで通いたい子通学負担を最小にしたい子毎日の通学を続けられそうで、数学・理科・ものづくりが好きな子

※ 表の補足

  • 「不登校枠」:一部の公立が設ける、欠席の多い生徒向けの選抜。内申より当日の学力・面接・自己申告書で判定します(名称・有無は都道府県で異なる)。
  • 私立の内申:入試方式で変わります。推薦・併願優遇は内申の基準あり(例:5教科で〇点以上が出願条件)、一般入試は当日勝負。「私立なら内申は関係ない」と一括りにしないで。
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表を見て「これが正解」というのは無いんです。通学がしんどい子には通信制が優しいし、毎日の場所がほしい子には全日制が合う。
大事なのは、順位をつけることじゃなくて、我が子に合う場所を選べることだと思っています。


3️⃣ 意外と知られない「4つ目」|高専という道

進路の地図で、いちばん語られないのが**高専(高等専門学校)**です。

高専は「高校」の一種ではなく、5年制の独立した学校。だから3つの課程の横並びに入りにくく、「知られていない4つ目」になりがちです(名前の似ている工業高校とも中身は別物です。くわしくは工業高校と高専の違い10選で比較しています)。

不登校の進路として高専を考えるとき、知っておいてほしい点が3つあります。

① 学力選抜なら、内申より「当日の学力」の比重が大きい

高専の入試には、内申(調査書)が出願の条件になる推薦選抜と、当日の学力検査で合否を決める学力選抜の2つがあります。

内申が不利だった子に道が開けやすいのは、後者の学力選抜のほうです。

実際に令和8年度の募集要項を6校分調べたところ、配点を公表している5校すべてで、当日の学力検査の点数が内申(調査書)の約2〜4倍でした(例:仙台は約3.3倍、長岡は2倍、久留米は約4倍。秋田高専のように、比率を公表していない学校もあります)。

内申もゼロになるわけではありませんが、当日の点数で挽回できる余地が、一般的な公立高校入試より大きい。内申・欠席で不利だった子にとって、学力で勝負できる数少ないルートです。

体調や特性で受験に配慮が必要な場合は、高専機構が入学試験における合理的配慮の窓口を設けていて、「出願前の早い段階で志望校へ事前相談を」と案内しています(別室受験・検査時間の延長などの例)。※「不登校」を名指しした受け入れ表明ではありませんが、事情がある場合に相談できる道は用意されています。

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もし今、誰に管理されなくても自分で机に向かえているなら、それは立派な強みです。高専は自分から学び、主体的に動ける子を歓迎する学校。実際、全国の高専を20校ほど調べたら、どこも「意欲」や「自ら学ぶ姿勢」を”求める生徒像”に掲げていて、半分ほどは「主体的に学ぶ」とはっきり書いていました(気になったら、志望校のアドミッションポリシー=“求める学生像”をのぞいてみてくださいね)。自分を律して家で学べることは、そのまま高専で活きる力です。

——もちろん、今はエネルギーが足りなくて動けない時期の子もいます。それは悪いことでも遅れでもありません。「動けるようになったら、こういう道もある」と頭の片隅に置いてもらえたら十分です🌸

② 正直に言うと、ハードルもあります

一方で、高専は毎日登校が前提で、専門的な授業が濃い学校です。「学校に通うこと自体がつらい」段階のお子さんには、通信制のほうが合うこともあります。フェアに書いておきます。

しかも高専は、単位や進級の基準が普通の高校より厳しめで、出席や成績が足りないと留年(原級留置)することも珍しくありません。だからこそ、「中学は行けなかったけれど、高校からは毎日通える」——その見通しがあるかどうかを、入学前に家族で正直に話しておくことが大切です。脅すつもりはありません。ただ、学力で入れる希望と同じくらい、入ったあと毎日通う現実も、フラットにお伝えしておきたいのです。

③ 出口は、就職も進学も強い

卒業後、就職を選べばほぼ100%が決まります(国立高専機構)。でも、あまり知られていないのが進学の強さです。

高専生の約4割が進学し、その多くが大学への編入専攻科へ進みます。しかも大学編入先は、令和6年度の全国データで約95%が国立大学でした(高専概要2025)。長岡・豊橋の技術科学大学に加え、東北大・大阪大・九州大のような難関国立へ編入する子もいます。内申が届かず一般の高校受験ではむずかしかった子が、高専を経て国立大生になる——その道が、実際に開いています。

これは高専に限った話ではありませんが、同じ調査(P.43)では、不登校を経験した人の約3人に1人が、最終的に大学・大学院まで進学しています。今がどんなに不安でも、長い目で見れば、そこにたどり着いている人がこれだけいるということです。

めぐりん めぐりん

私がこの道を魅力に感じるのは、「不登校だった」というレッテルが、いつの間にか関係なくなっていくからです。

中学が合わなかっただけで、本当は力のある子——そういう子は、一定数います。高専で自分に合う学び方に出会って、気づけば国立大学へ。「あの子、たまたま中学が合わなかっただけだよね」って、まわりの見方まで変わっていくんです。

「このまま、うちの子はどうなるんだろう」——不安なときほど、今の状況しか見えなくなるものだと思います。だからこそ、まず知ってほしいんです。冷静に判断するために、いちばんの力になるのは「知ること」だから🌸


4️⃣ 誤解を外す|通信制は「消極的選択」ではない

最後に、地図を見るときの大事な前提を。

「通信制=仕方なく行くところ」というイメージは、もう古いです。

  • 通信制高校の生徒は30万人超。今の高校生全体で見ると約10人に1人(在学者ベース)。中学卒業と同時に通信制を選ぶ子だけで見ても、約17〜18人に1人(約5.7%)——高専(約1%・中学卒業者ベース)よりずっと身近な選択肢です
  • N高・S高(現N・S・R高)は合計3.6万人超(2026年3月時点)。学校側は「高校としては日本一の生徒数」と発表しています
  • 大学進学率も上がり続けている

いまや通信制は、自分の学びや活動に集中するために積極的に選ぶ進路になっています。全日制も、定時制も、通信制も、高専も——どれも等しく、前向きな選択です。


まとめ|進路は「順位」ではなく「地図」

  1. 不登校でも、高校進学率は85%。不利は回避できる仕組みがある
  2. 進路は4つ。**優劣ではなく「合う・合わない」**で選べばいい
  3. 高専という「4つ目」もある。気になった人だけ、扉を開ければいい

進路選びは、「どこが上か」を競うものではありません。
お子さんに合う場所を、いくつかの選択肢の中から選べること——それが、いちばんの安心だと思います。

この地図が、迷っているご家庭の役に立ちますように🌷

めぐりん めぐりん

どの道を選んでも、応援しています。
そして、もし「高専って何だろう」と少しでも思ったら——私はその話なら、たくさんできますよ🌸


「家で過ごす今」を、無駄にしないために

進路を考えているいまも、学校を休んでいる時間は続きます。その家での学習を、国の制度で「出席扱い」にできる場合があります。制度の全体像は出席扱い制度の記事に、学校への相談の進め方を文例・記入シートつきでSTEP順にまとめた実践キットはnoteの実践ガイドにまとめました(全体の地図とSTEP0・1は無料です)。


📚 参考にした資料

※進路の制度・学費・入試は、地域・年度・学校により異なります。必ず最新の公式情報と各校の募集要項でご確認ください。


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